クロスバイクを入手したならば、自転車屋さんに頼らず自分でメンテナンスをしたくなるものです。タイヤ交換はメンテナンスにおける必須スキルでしょう。タイヤ交換とか無理っしょ!と拒絶反応を示している初心者のみなさん。大丈夫です。
ワタシのような高校は普通科、大学は文系学部という、日常生活における実用的なスキルを習得する機会がまったくなかった残念で不器用な人間でも、クロスバイクのタイヤを己の力で交換することができます。
関連記事:ジーザス!クロスバイクのタイヤがパンク
目次
前輪を外す
クイックレバーを引き抜く
クロスバイクをはじめとするスポーツバイクは、クイックレバー(クイックリリース)と呼ばれるたいへん便利なアイテムでタイヤが装着されています。
名前のとおり、素早くタイヤを脱着することができます。
タイヤの左側にクイックレバーがあるので、これを倒します。力を入れなくても、簡単に倒すことができます。
クイックレバーを倒したところ。
あとは反対側のキャップををぐるぐる回せば・・・・
こんな感じでクイックレバーを引き抜くことができます。これでタイヤはフレームに引っかかっているだけの状態になりました。
なお、キャップ側に山型のバネが付いています。バネの向きに注意してください。山の頂上が内側です。
ブレーキを開放する
ブレーキを開放しないと、タイヤを外すことができません。下図は、開放前の状態(通常の状態)。
これを下図のように、アームを内側に寄せて、ワイヤーが引っかかっている部分(下図の赤丸のところ)のテンションを緩めると・・・・・
簡単にワイヤーを外すことができます。
これで前輪を外すにあたり干渉するものが無くなりました!車体をゆっくり上に上げると前輪が外れます。
タイヤを外したあと、フロントフォークを傷つけないように、タオル等を敷きましょう。
後輪を外す
基本的には前輪と同じです。変速機やチェーンがあるので、クロスバイクを逆さまにした方が作業がしやすいかもしれません。
前輪と同様、クイックレバーを倒し、クイックレバーを引き抜きます。山型のバネの取り扱いも同じです。後輪のギアを一番外側(最もチェーンのテンションが緩んだ状態、つまり最も重いギアに調整)にしておくと、後輪を外しやすいです。
チェーンをスプロケット(歯車)から外しながらゆっくりとタイヤを上に引き抜きます。言葉にすると難しそうですが、簡単です。保証します。
チェーンが手に当たるので、気になる方は軍手の着用をお薦めします。
両輪を外したところ。イージーな作業ですが、この画を見るとワタシのようなメンテナンス初心者はそれなりの達成感を感じてしまいます。
タイヤレバーを使ってリム(車輪)から古いタイヤを外す
タイヤレバー。必須アイテムです。これがないとタイヤを外すことができません。
前車所有時に購入したタイヤレバー。実はワタシ、タイヤ交換は前車で1度経験しており、今回が2度目なので、すでに持っていたものを使いました。
※現在はもっとイージーに作業できるタイヤレバーがあるようですが、当時はそんなことは知らず・・・・。(本文末尾にて)
まずはタイヤの空気を抜きます。ワタシのトレック(TREK)FX1は米式バルブです。米式バルブの場合、キャップを外すと芯が現れるので・・・
コイツをタイヤレバーなどを使って押すと、空気がぷすーっと抜けていきます。
空気を抜き終えたら、タイヤレバーを使ってタイヤを外します。タイヤレバーの使い方、そんなに難しくありません。まずはタイヤレバーをぶすっと差し込み・・・・
フックをスポークに引っかけます。
続いて2本目のタイヤレバーを適当な間隔を開けて差し込み、すーっとタイヤレバーをリム(車輪)に沿ってスライドさせます。
そうすると、気持ちよ~くタイヤがリムから外れます。タイヤレバーは3本1セットで販売されていますが、タイヤレバーが2本あればタイヤを外すことができます。
反対側も同じようにしてタイヤをリムから外します。
新しいタイヤとチューブをリムに装着する
いよいよ新しいタイヤとチューブを装着します。ワタシのトレック(TREK)FX1は自転車通勤がメインの用途なので、耐パンク性能に特化したシュワルベのマラソン(28C)をチョイスしました。
関連記事:自転車通勤のタイヤは耐パンク性能で選ぶ!
チューブをリムに取り付け・・・・
ざっくりとチューブをリムに沿わせます。
続いてタイヤをリムにはめ込んでいきます。
ここで注意点がふたつ。(1)タイヤのロゴマークをバルブのところに合わせましょう。
こうすることで、空気を入れるときやパンク修理のとき、バルブを探しやすいという利点があります。
(2)タイヤには向きがあります。側面に進行方向を示す矢印が記してあるのでそれに合わせてリムに装着しましょう。これを間違えると最初からやり直しになってしまいます!
チューブをタイヤとリムで挟んでしまわないように注意しながら、タイヤを握りこむようにして、強引にリムにはめ込んでいきます。
この辺までは順調に装着できるのですが・・・・
最後の仕上げ、これから先が苦行です。押しても引いても固くてタイヤがはまりません。
前車のときは、フーフー言いながらも何とか装着できたのですが、今回は非力なワタシではどうにもならない。
今回のように固くてタイヤがはまらないときは、タイヤレバーを使います。
タイヤレバーを、タイヤを外したときとは向きを反対にして(ひっくり返して)差し込みます。
続いて差し込んだタイヤレバーを上にぐいっと持ち上げます。
そうすると、「カポッ」という気持ちの良い音ともにタイヤがリムにはまります。これを数回繰り返すと、無事にタイヤをリムに装着することができます。
あとは最終チェック。チューブがタイヤとリムに挟まれていないか点検してください。
上の図のように、タイヤを握りこんでチェックします。OKだったら、適正空気圧まで空気を入れます。
※なお、最後の仕上げにタイヤレバーを使用する方法、チューブ破損のリスクがあるという理由でサイトによっては推奨されていません。
ワタシは自分の力ではどうしてもはめ込むことができず、他に手段がなかったのでタイヤレバーを使用しましたが・・・・。
※何度も言っていますが、タイヤをはめ込む最後の仕上げを行う便利アイテムが存在することは後で知りました。次からは絶対にこれを使います!(末尾にて紹介)
クロスバイクにタイヤを装着する
タイヤを外した時とは逆の手順で、クロスバイクにタイヤを装着します。その際、クイックレバーの向きに注意してください。
前輪は、レバーをやや後ろ向きに。
後輪は、レバーを上向きに。
衝突時に衝撃でクイックレバーが倒れてしまうことを防ぐことが目的らしいです。タイヤを外す前に写真を撮っておくとよいでしょう。
ブレーキを元に戻します。左右対称になっているか、ブレーキとタイヤのすき間が左右均等などを確認をしてください。
タイヤを空転させて、ブレがないかチェックします。ブレがあった場合は、クイックレバーを引き抜き、装着し直します。
以上で作業おわり!
自転車屋さんにやってもらった方が短時間、安全、確実なんでしょうけど、自分で勉強しながら、時間をかけて右往左往しつつ作業することで、クロスバクへの愛着がいっそう増します。
初心者のみなさんも、恐れずに是非チャレンジしてみてください!
◆タイヤ外し、そしてタイヤのはめ込み最後の仕上げがコレ1本でできます。こんなのがあるんだったら、最初から使ってた・・・・。
◆クロスバイクのメンテナンス書