これからメバル釣り・メバリングを始めようと考えているビギナー・初心者の方は、釣具屋さんやネット店舗にずらずら~っと展開された値段もピンキリのアイテム達に戸惑いを覚えるはずです。
そこで、今回はそんなビギナー・初心者のみなさんに向けて、現在ワタシが使用しているロッドを紹介しつつ、ロッドを選ぶポイントを書き綴りたいと思います。
目次
エントリーモデルのすすめ
ちなみにワタシの道具選びのコンセプトは『できるだけお金を掛けない』でございます。
お金をかければ高性能のモノを手に入れることができる。これ当たり前。悲しいことに世の中『カネ』なんですよね。釣り具もまたしかりです。
恥ずかしながらワタシ、銭に糸目をつけずに釣り具を購入できる経済力を持ち合わせておりません。悲しいかな、高級品には手を出せない。
羨望の眼差しで高級タックルをチラチラ見ながら『エントリーモデル』を愛用しているわけですが・・・・
断言します、高級タックルでなくても120%メバル釣りを楽しむことができます。
(註:高級タックルなら200%くらいメバル釣りを楽しむことができるでしょうね)
エントリーモデルの利点
エントリーモデルには値段以外にも釣りをするうえで大きな利点があります。
それは『余計な気をつかわずにガンガン使えること』です。
地べたにタックルを置く、テトラや堤防にタックルを立てかける、魚を触った手でロッドを扱う、うっかりタックルを落としてしまうなど、釣りをしていると遭遇するこのような事態に対し、エントリーモデルならば過度に神経質になる必要がありません。ロッドに傷がついたときの精神的ダメージを最小限に抑えることができます。
もちろん、道具を積極的に粗末に扱うことを奨励しているわけではありませんよ。道具は釣り人の『命』ですから。
しかし、エントリーモデルの場合、タックルの扱いに『猛烈超絶厳重注意』的に気をつかう必要がないことは明らかです。
道具の扱いに過度な気をつかわずに釣りに集中できることは、主に闇夜が舞台のメバリングにおいて重要な要素だと言えます。
(註:上級アングラーは高級タックルを大切に扱いつつ釣りに集中していると思いますが)
メバリング用ロッドの選び方
どんなロッドでもメバルを釣ることができますが、メバルをたくさん釣りたいかつ楽しみたい、この2つを両立させるのであれば、絶対にメバリングに特化したロッド、専用ロッドを使用すべきです。
そもそもメバリングの場合、ロッドの性能が釣果そのものを左右します。決して大げさな話しではありません。
ロッドの選択を間違えると、獲れるメバルも獲れなくなります(経験あり)。
と言っても、過度に高級な道具が必要というわけではなく、安価でも以下のスペックを満たすロッドであればメバル釣りを楽しみつつ釣果を上げることができます。
ロッドのパワー
メバル釣りに求められる最も重要な要素、それは1g程度の仕掛けをストレス無くキャストでき、操作できること。
すなわちあらゆるロッドのなかで最弱の部類に位置づけられるパワーが『UL(ウルトラライト)』のロッドが最適です。
バスロッド、シーバスロッド、エギングロッド等、他のルアーロッドでもメバル釣りをできなくはないですが、これらのロッドはパワーが強すぎるため、軽い仕掛けを扱うメバル釣りにおいてはストレスを感じる場面が多いでしょう。
そして何よりも、そのパワーゆえ『きゅんきゅん』『ぐんぐん』とロッドを絞るメバル独特の引き味を楽しむことが難しいです。これではメバル釣りの楽しさが半減どころか9割減です。
安物でもよいので、UL(ウルトラライト)のロッドを入手してメバリングに臨むことを強くお勧めします。
ちなみにワタシは当初、バスロッドでメバリングをしていました。釣れることは釣れましたが、『アタリは取れるけど乗らない』を痛いほど経験しまして専用ロッドの購入にいたりました。
現在は比較的安価な専用ロッドを使用していますが、専用モデルだけあって獲れるメバルの数、メバルとのファイトの楽しさともに格段に向上しました!これマジです。
ロッドの長さ
メインで釣るフィールドにもよりますが、7~8フィート(約2m~2.4m)の長さのロッドが扱いやすいです。
足場が低く、漁船が係留されている漁港内がメインのフィールドの場合は短いロッドが取り回しやすいでしょう。
足場が高いフィールドや、少しでも仕掛けを遠くに飛ばしたい場合は長めのロッドが使いやすいでしょう。ただしロッドの長さが9フィート(約2.7m)を超えると扱いに慣れが必要です。
初心者・ビギナーの方は迷わず7~8フィートのロッドをチョイスすればOKです。
長さは7~8フィートでよい!と言われても、釣具屋さん行けば7フィート、7.4フィートなど長さが小刻みで商品が展開されていて、ビギナーの方は大いに悩んでしまうと思います。
個人的にはそのあたりの細かなことは気にせず、7~8フィートの中から好きなメーカー、好きなデザインのロッド、『このロッドでメバルを釣り上げたいな』とアングラー魂を刺激するロッドを選べばよいと思います。
ロッドのタイプ~ソリッドorチューブラー
メバリングのロッドは、ティップ(先端)の構造により『ソリッドティップ』と『チューブラーティップ』のふたつに分類されます。
両者の違いは・・・・
ソリッドティップ
特 徴
ソリッドの辞書的な意味は『密である、空洞でない』。その文字通り、ソリッドティップは、穂先が空洞ではなく、詰まっている構造となっています。
その結果、細く、柔らかい穂先となります。
長 所
その柔らかな穂先によって、仕掛けを食った魚が違和感を覚えにくいです。ルアーやエサをくわえている時間が長くなるぶん、フッキングする可能性が高まります。
こんな感じでぐい~んと曲がります。
短 所
穂先が柔らかいため、チューブラーティップよりも感度が落ちます。同じ理由で、仕掛けに繊細なアクションをつけることが難しいです。また、感度が落ちるため、根掛かりに気づくタイミングが遅くなり、仕掛けを回収できる確率が低下します。さらに、ロッドの特性上、基本的に『向こう合わせ』の釣りになるため、『釣った』というより『釣れた』という感じになりやすいです。いわゆる『獲ったど~』的な達成感を得にくいかな。
チューブラーティップ
特 徴
チューブラーの辞書的な意味は『管状、円筒状』。その文字通り、チューブラーティップは穂先の内部が管状(=中空)となっています。
その結果、ソリッドティップよりも太くなるが、張りのある穂先となります。
長所
ソリッドティップよりも感度に優れます。魚が触った、障害物に当たったなど、多くの情報がロッドから手元に伝わるため、攻め方を変える、場所移動する等の判断をしやすいです。仕掛けの操作性に優れ、細やかなアクションを仕掛けに伝いやすいです。意のままに仕掛けを操り、アタリを積極的に掛けていくアグレッシブな釣りを展開することができます。いわゆる『獲ったど~』的な達成感を得やすいでしょう。
短所
張りがある穂先なので、仕掛けを食ったメバルが違和感を覚えやすです(ルアー等を食った際に魚が抵抗を感じる)。そのため魚が仕掛けをくわえる時間が短くなり、『アタリは獲れるが乗らない』『メバルをはじく』状況に陥りやすくなります。
ティップの選択、まとめ
ざっくり言うと『ソリッド』と『チューブラー』の違いはこんな感じです。
しかし!ややこしいことに昨今の市場には『張りのあるチューブラー寄りのソリッドティップ』や、『柔らかいソリッド寄りのチューブラーティップ』など両者のハイブリッド機種なんかもラインナップされており、これからメバル釣ったろ!っていうアングラーを大いに悩ませるわけです。
どちらのタイプを選択するかは完全に釣り人の好みですが、『メバリング、一本目のロッド』をテーマに据えるならば、チューブラーティップやハイブリッド機種は選択肢から除外し、釣果を重視して『ソリッドティップ』のロッドを選択することをお勧めします。
「特殊なロッド」は、経験を積んで、己のメバリングの方向性が定まってから導入を検討すればよいと思います。
ワタシのメバリングロッド
現在まで、ワタシは2本のメバリングロッドを使用してきました。ダイワ、シマノそれぞれ1本ずつです。もちろんエントリーモデルです。
ダイワ 月下美人 70UL-S
メバリングロッドのダイワ版エントリーモデル『月下美人70UL-S』です。価格は1万円くらいでした。
●70・・・・・・長さ7フィート
●UL・・・・・ウルトラライト ※ワンランクパワーがあがるライトは『L』と表記される
●S・・・・・・ソリッドティップ ※チューブラーの場合『T』と表記される
●適合するライン・・2~5ポンド
●適合するルアー等の重量・・0.6~5g
ワタシが初めて手にした記念すべき1本です。
特に大きな不満もなく使用していましたが、(というか気に入っていましたが)ワタシの不注意によりティップを破損させてしまいました。
現在は修理し、予備のロッドとなっています。(写真の穂先は、修理後のものです)
破損させなければメインロッドとして使い続けていたと思います。最初の1本として強くお勧めできるロッドです。
個人的には名前が大好きです。『月下美人』って。所有欲を満たしてくれるネーミングだと思います。
シマノ ソアレBB(soare BB) S800ULS
メバリングロッドのシマノ版エントリーモデル『ソアレBB S800ULS』です。価格は1万円くらいでした。
●S・・・・・・・・スピニングロッド
●800・・・・・・8フィート
●UL・・・・・ウルトラライト ※ワンランクパワーがあがるライトは『L』と表記される
●S・・・・・・ソリッドティップ ※チューブラーの場合『T』と表記される
●適合するライン・・2~6ポンド(PEラインの場合0.3~0.8号)
●適合するルアー等の重量・・0.6~10g
現在のワタシのメインロッドです。
前述の月下美人を破損させた際、迷ったあげく買いかえを決断。同じメーカー、同じロッドを買うのもアレだったので、シマノのエントリーモデルのソアレBBをチョイス。長さもちょい伸ばして8フィートにしました。
個人的にはこれもまたお勧め。ワタシの場合、足場の高い漁港やテトラの上で釣りをする機会が多いため、長さを8フィートにしたことのアドバンテージは釣行のたびに感じます。
ただ、7フィートと8フィートはたった30㎝ほどの差ですが、暗闇の中でガイドにラインを通すときなどは短いロッドの方が断然楽だなぁと思います。
月下美人と比べると、ソアレBBの方がロッドが長い分だけキャスト時のティップのぶれが月下美人よりかは大きく、ピンポイントキャストは若干苦手な印象を受けます。
ただし、あくまでも『若干』です。
そんなエントリーモデルであるソアレBBでもばんばんメバルを釣り上げていますし、キャストも簡単に狙ったところに飛ばせるようになりますのでご安心を。
なお、高級モデルになるとこの辺りの性能が格段に向上し、『ティップは柔らかくしなやかだが、キャストぶれしないロッド』を手にすることができるでしょう。世の中カネですわ、本当に。
いずれにせよ、今のところロッドをこのソアレBBから買い替える予定はありません。
買い替えるというか、もし買い足すならばチューブラーティップのエントリーモデルでしょうね。
・・・・エントリーモデル万歳!