初心者の壁を乗り越えろ!エギング、底の取り方。ボトムを察知できれば楽しさ倍増!

着底を察知せよ!

駆け出しエギンガーの前に高くそびえる壁、それは『底取り』。エギの着底を的確に察知することはエギングの基本とされています。アオリイカは底付近がポイントになることが多いため、底取りはエギンガーにとって必須のスキル。

また、着底が分かればエギのロストを回避できる、時間効率がアップし手返しが良くなる、狙ったレンジをピンポイントに攻めることができるなど良いことだらけ!

しかし!この底取りが初心者には本当に難しい。自分がどのレンジを探っているのかよく分からぬまましゃくり、いつの間にかイカが乗っていた・・・・。底を確実に取るためにエギを放置しすぎて根掛かり・・・・。ワタシたちは何とかしてこの初心者的状況から抜け出さなければならない。

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目次

底取りは初心者の壁!

かく言うワタシも、底取りは完璧ではありません。潮の流れが効き過ぎているポイントや、横風でラインが流される状況では「底ってどこ?」的な感じでエギングをしていますが、昔と比べるとボトムを察知できることが格段に増えましたし、その結果、無駄に放置してエギをロストすることもほとんどなくなりました。

そんな中途半端なワタシで恐縮ですが、初心者がぶつかる『底取りの壁』の攻略法を紹介いたします。底の取り方は人によりけりですが、ワタシは以下の手順を実践しています。

慣れないうちはイージーな環境で行う

穏やかな港内
慣れないうちはイージーな環境で練習しよう!

まず、慣れないうちはボトム察知が容易な環境で練習してください。具体的には・・・・

1、明るい時間帯または外灯で水面のラインを目視できる場所

2、無風または微風な状況

3、潮の流れが穏やかな港内、理想はべた凪

4、水深が浅いポイント

こんな環境がおすすめ。そこにイカがいるかどうかは関係ないです。地元民に「ここでイカは釣れないよ~」とか指摘されても気にしちゃだめです。底取りの感覚を身につけることを最優先にしましょう。

ビギナーこそ偏光グラスは必需品

偏光グラス
ビギナーこそ偏光グラスが必要!

偏光グラスがあった方が絶対によいです。「アレ、上級者用アイテムでしょ?下手っぴな自分にはまだ早いよ!」と思うビギナーも少なからずいらっしゃると思いますが、初心者、熟練者に関係なく偏光グラスはエギングの必需品です。

偏光グラスのある・なしでは、水面のラインの見え方がまったく異なります。

偏光グラスの意義は、見えイカを発見するとか、ベイトの様子を確認するとか、海底のストラクチャーを把握するためだけではありません。

底を取るためにも必須のアイテムです。

そういう意味では、ビギナーこそ偏光グラスを掛けて現場に臨むべきです!

まずはキャスト!

練習にあたっては、フルキャストの必要はありません。まずは軽~くキャストしましょう。飛距離が短い方が、エギの着底の容易に察知できるからです。

ラインスラッグ(糸ふけ)を回収し、ラインを一直線に

エギが着水したら、直ちにラインスラッグ(糸ふけ)を回収し、ラインが一直線になるように調整します。このとき、ロッドをあおり、ラインを水面から離した状態でリールを巻くと「一直線」を作りやすいです。

ロッドを「クイッ」と少し動かしただけでエギの重みを感じるくらいまでラインを張ってください。これ、とても重要な作業。

これで、エギを沈降させるスタンバイが完了しました。

リールのベールを起こし、ラインを解放する

続いて、エギをずんずん沈めていきます。

キャスト後、ラインを張ったらリールのベールを起こしてライン放出スタート!

まずリールのベールを起こし、ラインを送り出します。3~5秒くらいラインを放出させます。うまくラインが出ていかない場合は、指でラインをつまんで送り出す、ロッドを軽くあおるなどして強制的にラインを放出させてください。慣れないうちは1度に放出するラインの量を少なくした方がやりやすいです。

すると、スプールから出た分だけ、張っていたラインが緩みます。

このとき、ロッドを下に向けた方がスムーズにラインが出やすくなります。

スプールを押さえ、放出したラインの分だけエギを沈降させる

ある程度ラインを放出させたら、スプールを押さえてラインの放出をストップさせます。ロッドを持つ手の指や、ロッドを持っていない手を使ってスプールを押さえます。

3~5秒程度ラインを放出したら、スプールを指で押さえ、いったんラインの放出を止める。

次に目線をラインと水面が接する点に向けます。すると、ラインが水面に『Vの字』を描きながらエギの沈降に合わせて「スーッ」と沈んでいく様子を確認できるはずです。

ラインを出した分だけエギが沈みきると、緩んでいたラインにテンションがかかり、キャストしてラインスラッグを処理した後と同じ状態になります(ラインが張って一直線となる)。

そうなったら、再びスプールを押さえている手を離してラインを送り出します。

この動作、「ラインを張る→ラインを送り出す→スプールを押さえラインの放出を止める→ラインを出した分だけエギが沈む」を延々と繰り返しエギの着底を待ちます。

ラインの放出と同時に必ず「カウント」を開始してください。着底までの秒数が分かれば、次回以降の底取りがとても簡単になるからです。

着底を察知する

この方法によるボトムの察知方法は3パターンあります。

1つめは、『Vの字』を描きながら進むラインの動きが「ふっ」と止まるパターンです。水面の『Vの字』が一瞬消えます。また、沈んでいくラインのテンションが一瞬緩みます。

しっかり水面を観察していれば、容易に確認することができるはずです。

2つめは、先の「着底のサイン」を見逃してしまったときのパターンです。エギが着底しても、風や波、潮の流れによってラインは放出され続けます。したがって、エギはすでに底にあるにも関わらず「いつもでたっても着底しないよ!」という誤認が生じることがあります。

そんなときは、ラインが沈むスピードに注目してください。フォールするエギに引っ張られるラインのスピードをしっかりと覚えておきましょう。エギの重みでラインが出ていくスピードと、潮流などによりラインが引っ張られるスピードは異なる場合がほとんどです。

したがって、「おや?ラインが沈む速度が極端に落ちたぞ?」という場合は、すでにエギが底に着いていると判断してよいでしょう。

3つめは、ラインを張ってロッドをちょいと引いてみる、という方法です。このとき、エギが底を擦っているような抵抗感、引き重りがあれば着底が完了しています。

ただし、底がフラットだと、エギが底を擦る感じが分かりにくい場合もあります。この感覚をつかむために、エギが中層にある状態でロッドを引いたときの抵抗感を覚えておくとよいです。

いずれにせよ、着底を察知したならば直ちに糸ふけを回収してしゃくりスタート!です。ぼやぼやしていると根掛かりしますから!

完全フリーフォールとカーブフォール(テンションフォール)

一般論として、ルアーフィッシングの世界には、仕掛けをボトムまで送る方法として「フリーフォール」と「カーブフォール(テンションフォール)」の2種類が存在します。

フリーフォールは、着水点の真下にエギを落とす方法です。エギを沈降させる際、ラインテンションを極力掛けず、エギの重さに任せてラインを放出させます。エギが手前に寄る距離を少しでも短くする方法です。結果、しゃくる距離を長くとることができる、つまり1回のキャストで広範囲を探ることができます。

ただしコレ、やってみるとよく分かりますが、着底察知の難易度が恐ろしく高いです。熟練者向け。

それとは対照的に、最も容易に着底を察知できる方法がカーブフォール(テンションフォール)です。

キャスト後、ラインを一直線にしたならば、ラインの追加放出を行わず、ラインテンションをしっかり維持してエギを落とします。エギが弧を描きながら(手前に寄りながら)フォールします。

この方法による着底の察知はとても簡単。ラインに指を触れていれば、着底の瞬間に「ふっ」とテンションが抜ける感じが伝わってきます。ただしフィールドの水深によっては、エギがかなり手前に寄ってきてしまい、探る範囲が極端に狭くなってしまいます。

しかし、慣れないうちは、ラインの追加放出を行わない「カーブフォール」から練習するのもひとつの手だと思います。

ここで紹介している方法は、両者のハイブリッド

ここで紹介している方法は、その「フリーフォール」と「カーブフォール」の中間に位置する底の取り方ですね。

「ラインを張る、緩める」を繰り返しながらエギを沈めるため、どうしてもキャスト時の着水点よりエギが手前に寄ってきます。しかし、カーブフォールよりもエギが手前による距離が短くなり広範囲を探れますし、フリーフォールよりも着底察知が容易です。

この方法を極めたならば、フォールの理想型「フリーフォール」にトライしてみてください。下手っぴなワタシは永遠にトライしないと思いますが。

しゃくり回数と再着底まで秒数を把握しよう

着底後の最初のしゃくりで、しゃくった回数と再着底するまでの秒数を把握するとなおよし、です。例えば「3回しゃくったら8秒で着底した」みたいに、自分のしゃくり具合とエギの沈降速度の関連性をつかんでおきます。

もちろん潮流や風の具合で、しゃくり後の着底にかかる秒数は変化しますが、これを把握しておくと、「しゃくり後4秒でラインが止まった」、「しゃくり後10秒を超えてもラインが止まらない」などの状況はイレギュラーな怪しい動き、すなわちイカのアタリである可能性が高まります!

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回収後のエギを観察しよう

慣れないうちは、「今のちゃんと底取れてたんやろか?」と半信半疑のままエギングをすることになると思います。

エギ、シンカーの傷
シンカーが傷ついていれば、ボトムが取れていた証拠。

そんなときは、回収後のエギを観察してください。シンカー(重り)に傷が付いていれば、それはエギが底に触れたことのサイン。底取りが成功していた可能性が高いです。

ただし、シンカーの傷は必ずしもキャスト後の着底で付いたものとは限りません。手前の方が水深が浅く、堤防の敷石などの障害物にエギが当たりやすいので、そこで付いた傷かもしれません。

ワタシの経験上、根掛かりは手前ですることが圧倒的に多いので、エギが手前に寄ってきたら、底の取り直しはやらない方がよいです。

「コウイカ」は、底取りが成功している証

エギングにおいてコウイカは外道扱いされがちです。食材としてはたいへん優秀で、コウイカもアオリイカに負けないくらい美味なんですけどね。

コウイカ
外道扱いされがちなコウイカですが、これが釣れつと、底付近を攻めることができた可能性大。

ただ、ビジュアル的なパワーがアオリイカと比べると弱いことは否めず、その結果、コウイカは多くのエギンガーに『残念賞的なイカ』と位置づけられる不遇なイカちゃんです。

このコウイカ、一般的には底付近をうろうろして捕食するイカなので、コウイカが釣れたということは、「底取り」が上手くいった証でもあります。がっかりせずに、「自分、底取りできたんや!」と自信を持ちましょう。(もちろんコウイカは中層で食うこともありますが)

コウイカばっかでアオリイカが釣れぬ!というスパイラルから抜け出せない方は(ワタシも経験あり)、底オンリーを攻め過ぎている可能性があります。

夜釣り(ナイトゲーム)での底取り

アオリイカ
難易度が上がるナイトゲームの底取り

ここで紹介している方法は、ラインを目視できることを前提としています。

では、夜間やマズメ時で、外灯がなくラインの目視が不可能な場合の底取りはどうすうのか?

夜釣り(ナイトゲーム)のエギングにおけるワタシの対処方法は3つあります。

1つめ。着底までの秒数を把握しているポイントでは、カウントダウンで落としていきます。その際、潮位・潮流・風などの影響を考慮して秒数を調節します。例えば、干潮に近ければ早めにフォールを終わらせる、大潮で満潮に近ければ長めにフォールさせる、などです。

2つめ。底取りの手順は先に説明した方法と同じですが、着底の察知方法が少し異なります。海面のラインを目視できないので、その代わりにリールのスプールをヘッドライトで照らし、ラインが放出されるスピード・ラインの動き・ラインの張り具合などの変化を目視して着底を察知します。

ヘッドライトで海面を照らしてラインの状態を確認できればそればベストです。しかし、真偽は不明ですがLEDヘッドライトの光は魚に警戒のスイッチを入れてしまう、なんて話を聞きますし、であるが故にヘッドライトで海面を照らすことを嫌う釣り人も多いです。

余計なトラブルを避けるため、見知らぬ釣り人がいる場合は、海面をライトで照らさない方が無難でしょう。

実は「底べったり」にこだわる必要はない

底取りはとてもエギングにおいてとても重要なスキルですが、かといってエギを毎回きっちり着底させることがアオリイカを釣るための絶対条件であるとも言えません。

特に夜は日中よりイカの活性が高い傾向にあるので、「底べったり」にこだわる必要はないと考えています。てか、夜は表層や中層にもいるので、ボトムにこだわり過ぎると貧果に終わる可能性だってありますし。

また、秋イカは表層や中層、目に見える障害物の付近に群れていることが多いので、底を取っているとかえって手返しが悪くなります。

さらに水深がありなおかつ潮の流れが速いポイントでは、底取りそのものが凡人には不可能。そんなポイントでは、ワタシは底取りを放棄し、潮流にエギを流しながら釣るようにしています。

底取りの最大の目的は「今、自分はボトム付近を攻めているぜ!」、「中層を探ってます!」など、自分が狙ったレンジにエギを確実に通すためにある、というのがワタシの持論。

ってことはアレです。底取りが完璧にできなくても、気にしなくてよいってことになりますね。「おおむね底付近」みたいなざっくりとした感じでもイカは釣れます。

あ、こんなメンタリティーだからキロオーバーが釣れないのか・・・・。

関連記事:エギング、アタリの取り方

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