エギングを始めた頃はイカが釣れれば、ただそれだけで嬉しかった。家族の者がアオリイカに舌鼓を打つ様子を見るだけで幸せだった。
しかし!釣行を重ねるにつれ、「しゃくったらイカが乗っていた」という初心者的状況から抜け出したい!イカのアタリを察知して確信的にアワセを入れたい!「釣れた」はもうヤダ!「釣ってやった」っていう実感・達成感を味わいたい!という釣り人的向上心がワタシにもむくむくと湧いてきました。
それから「どうすればイカちゃんのアタリを察知できるのか?」の探求がはじまりました。
試行錯誤の結果、こんなワタシでも近年は「しゃくったら乗ってた」が激減。アタリを察知し、確信的にイカを掛けることができるようになりました。以前と比べるとイイ感じでエギングできています。楽しいです。
アタリが分からないと困っている駆け出しエギンガーの参考になれば・・・・ということでワタシなりのアタリの取り方を恐れ多くも紹介させていただきます。
でもワタシ、キロオーバー未経験なんです・・・・ってこれを言ってしまうと説得力がアレですけど、どうか最後までお付き合いください。
熟練者はそっとページを閉じてね・・・・ではなく、よりセンシティブで高度なアタリの取り方をご教授願いたいものです!(真剣)
目次
イカのアタリの取り方、3つのタイプ
エギングでのイカのアタリの取り方は大きく3つに分けられます。
1、手もとに伝わる振動でアタリを察知する
2、ラインの変化でアタリを察知する
3、サイトフィッシング(見えイカ釣り)
キロオーバー未経験の半端エギンガーなワタシですが、上記いずれのアタリも経験済みです。
で、ワタシの場合、「手もとに伝わる振動」でアタリを取ることが多いです。では、どうすればこのタイプのアタリが取れるのか?について以下、解説いたします。
ちなみにエギング的に最もスリリングな瞬間は「ラインの変化でアタリを察知する」で異論はないかと思います。これについても解説しています。
アタリを取るためのスタンバイ
とても重要な作業。アタリを取るための事前準備です。
まずは個々人の好み・プランに応じてエギをしゃくります。このとき、底を取ってからしゃくる場合は、再着底に5秒以上かかる程度までエギを跳ね上げさせます。底を取らない場合は、まぁ適当にしゃくってください。
なぜ5秒以上なのか?それは後ほど説明いたします。
エギをシャクリ終えたら、即座にラインスラッグ(糸ふけ)を回収し「張らず緩めず、どちらかと言えば張り気味」にラインのテンションを調整しエギをフォールさせます。
リールを2~3回巻いたらしっかりラインテンションが掛かる状態とでも言いましょうか。
続いて、エギをフォールさせます。エギングの類型で言うと、フリーフォールとカーブフォールの中間くらいのイメージでフォールさせます。
さらに踏み込んで説明すると『最初の数秒間はフリーフォール気味。その後、ナチュラルにテンションフォールに移行』というイメージです。
「張らず緩めず」にラインテンションをキープしたならば、ロッドを「ぴたっ」と静止させエギをフォールさせます。原則的にリールも巻いてはダメです。
静止させるときのロッドの向きは状況によりけりでしょうか。ワタシの場合は斜め下45度、ロッドの先端をやや前方に向けて止めることが多いです。後に説明する「聞き合わせ」に移行しやすいからです。
エギングの通説で、フォール中に不自然な動き・人為的な動きが加わると、エギに興味を持ったイカちゃんが警戒する、っていうのがあります。
これを踏まえ、エギがフリーフォールに突入したらロッドは動かさず、リールは巻かず、「動かざること山の如し」を徹底します。
ラインは「張らず緩めず」状態です。ロッドやリールのちょっとしたアクションがエギに伝わり、イイ感じでフォールしているエギが「ぴくっ」と動くことを避けなければなりません。ここは集中力を上げて対処しましょう。
とにかくこれにてアタリを取るスタンバイ完了です!
フォール開始から5秒間が激熱タイム!
エギングの通説、そしてワタシの経験上からも言えることですが、イカちゃんは「フォール開始から5秒以内」にエギを抱いてくる場合が圧倒的に多いです。
より範囲を限定すると、ワタシの場合はフォール開始直後(アタリを取るスタンバイが完了した直後)から3秒以内が超絶激熱タイムですね。
これを踏まえ、フォール開始から5秒間は全神経をロッドを持つ手もとの感覚、そしてラインの動きに集中させます。
集中するがゆえにどうしても身体に力が入りがちになりますが、ロッドを強く握ってはダメです。小さな振動を拾うことができません。ロッドを優しく手のひらに乗せる感じでアタリを待ちましょう。
手もとに伝わるイカのアタリ
イカがエギを抱くと、「こん」とか「とん」という振動、場合によっては「くんくん」や「ばい~ん」とイカ感満載の感触が手もとに伝わってきます。
ワタシのエギングは夜間がメインなので、これでアタリをとることが最も多いです。
ボトムを取ってからしゃくり始めた場合、2~3回しゃくって5秒以内にこれを察知できれば、着底による「こん」や「とん」でないことは明確。何らかの生命反応です!てか、それは高確率でイカです!「キターッ!」と心の中で叫びながら合わせを入れましょう。
カンナが掛かった瞬間、「ばい~ん」からの「ぐんぐん」というイカ特有の引きを味わえるはずです。
イカが乗らなかったとしても「あ~外した!」とか言って天を仰がずに、直後のフォールに全神経を集中させてください。イカが「追い抱き」をする可能性が高いです。エギングあるあるです。怪しい感触の後は気を抜くな!であります。
ラインの動きに出るイカのアタリ
日中や夜でも外灯でラインを目視できる場合は、手もとに振動が伝わる前にラインの動きでアタリを確認できる場合があります。エギングの醍醐味のひとつです!
したがって、日中は、しゃくり後に水面とラインの境目をガン見してください!ここは全力集中です。
ラインが引っ張られる
例えば、通常よりも速いスピードで「すーっ」あるいは「ひょいっ」とラインが引っ張られる場合があります。ラインスラッグが多めの場合は、「するする」とラインが気持ちよく海に引き込まれていくこともあります。
いずれにせよフォール開始から5秒以内であれば、ほぼイカのアタリです。いや、潮の流れが強いときなどは岩や海藻などに掛かっている場合もありますけど。
ラインが緩む
また、張り気味のラインが「ふっ」と緩むことがあります。水面とラインの境目に注目をしていればよく分かります。これもほぼイカのアタリ。「食い上げ系」のアタリですね。
ラインが止まる
また、エギが着底していないはずなのに、ラインが「ぴたっ」と止まる場合もあります。これもイカのアタリ。「居食い系」のアタリです。5秒以内の着底はあり得ない、という前提にたてば、これはもうイカですね。いや、海藻や岩などの場合もありますけど。
ラインがモヤモヤする
さらにもうひとつ。ラインが水面で「モヤモヤ」っとするアタリもあります。
順調にエギがフォールしていれば、水面とラインの境目で『Vの字』が描かれていることを確認できます。しかし、エギが着底していないにもかかわらず、水面とラインの境目の『Vの字』が消えたり復活したり、っていう動きが繰り返される場合があります。
これがラインの「モヤモヤ」感です。
5秒以内であればエギの着底である可能性はきわめて低い、つまりイカがエギを触っている可能性が高いです。即座に合わせを入れましょう!ま、これも海藻の場合がありますけどね!
いずれにせよ、5秒以内に何らかの違和感があったならば、積極的に合わせを入れましょう。
絶妙なラインテンションがキーポイント!
これらの『違和感』を容易に察知するための前提が、「張らず緩めず」なラインテンションです。しゃくった後のラインの処理はとても重要!
個人的にはラインの変化を目視して合わせる、この瞬間が最も気持ちが良いです!
「聞き合わせ」を必ず入れよう!
5秒間エギをフォールさせて異常がなければ、次の動作に移ります。が、次のしゃくりに移行する前に必ずやるべきことがあります。
それは「聞き合わせ」です。
しゃくりの動作に移行する前に、必ずラインを張って「す~っ」とロッドを優しく後方にさびいてください。イカが抱いていれば「ん?根掛かり?」的なモソッとした抵抗感を感じるはず。てか、フォール後5秒以内で根掛かりする可能性は低いわけですから、モソッとくれば高確率でイカがエギを抱いています。即座に「おりゃっ!」と合わせを入れましょう。
これ、ワタシ的に2番目に多いアタリの取り方です。
先に述べた「食い上げ系」のアタリの場合は、手もとに振動が伝わってきません。また、日中にサイトフィッシングをするとよく分かるのですが、イカがエギを抱いたくらいでは、ラインや手もとに変化が現れません。
夜間はもちろん、日中であってもラインの変化の目視だけですべのイカのアタリを察知することは難しいです。※熟練者はできるんでょうけど。
なのでシャクリ前に「聞き合わせ」を必ず入れてください。これを実践するだけで「しゃくったら乗っていた」が半減するはずです。
この方法でイカの存在を察知することも気持ちいいですよ!
ま、これもフィールドによってはイカではなく海藻だったりもしますがね。
で、聞き合わせしても異常がなければ、底を取り直す、すぐさまシャクリを再開するなど、個々人のプランに応じて次のアクションに移行します。
見えイカを掛ける!
ワタシが苦手なのが「見えイカ釣り」です。秋は結構な頻度でイカの群れを確認できます。もちろん春も秋ほどではありませんが、見えイカに遭遇することは珍しいことではありません。
ワタシの経験上、見えイカには2種類あると考えています。
ひとつめは、やる気なさそうにゆったりと群れているイカ達。
ふたつめは、物陰から突然現れてエギを猛追してくるやる気満々なイカ達。
いずれにせよ見えイカを発見すると「お!ラッキー!何とかしたろ!」と釣り人魂に火が付きますが、こいつらを掛けるのは意外とハードルが高い。少なくとも超簡単!ではない。経験やテクニックの差がでるのかな?と思います。
やる気のない見えイカたち
まず、前者の見えイカは個人的に苦手なタイプ、というか、どうにもならないタイプのイカです。やる気がない、または警戒心が強い個体が多いようで、エギをデリバリーしても微動たりしない、または即座に逃げます。エギに近寄ってくるイカもいますが、ぎりぎりまでエギとの距離を詰めるものの、エギを抱くことなく退散します。
このイカたちにエネルギーを注ぐのは時間の無駄だと思います。(ワタシはどれだけこのイカたちに無駄な時間を浪費したでしょうか!)
この場合は、「この場所にイカがいる!」ということだけをポジティブにとらえ、見えイカの周辺に群れているであろう「見えていないイカ」にチャレンジをする方が有意義でしょう。
やる気満々の見えイカたち
何とかなるのは、後者の見えイカです。秋によく遭遇する状況ですが、集団で猛スピードでエギをチェイスし、足もと付近までやってきます。
足もと付近でエギをねちねちと動かすと、競うように順次イカがエギに接近し、場合によっては抱くには至らないがエギにちょっかいを出す個体もいます。
こうなったら釣り人にチャンスあり!です。イカと人間の我慢くらべで、しつこく何度もしゃくっては落とし・・・・を繰り返すとイカが抱いてきます。
また、いったんエギをピックアップし、イカの目の前に再びエギを落とすと、着水と同時に複数のイカが「よーい、どん!」でアタックしてくる場合もあります。
さらに、足もとのイカにチャレンジしている最中に死角から猛スピードで別のイカが突進してきてエギをさらっていく場合もあります。
いずれも秋に経験したパターンですが、このようなエギに夢中になるイカたちを見る度に「生存競争だなぁ」としみじみと思うのです。
見えイカは合わせのタイミングが難しい
見えイカ釣り(サイトフィッシング)において、難しいなと思うのが合わせのタイミングです。
イカがエギを抱くと同時に勢いよく後退するパターン。これは簡単に合わせることができます。ラインも勢いよく走るので、いつもの感覚で合わせればよろしい。
難しいのは、エギを抱いたイカがそのまま動かない、あるいは少ししか後退しないパターンです。
早く合わせるとすっぽ抜けるし、勢いよく走り出すのを待っているとエギを離すしで、未熟者のワタシにとっては本当にタイミングが難しい。このあたりの感覚は、経験とスキルがモノを言う世界なのかなぁと。
合わせるときは、イカがエギを抱いている状態とエギのカンナの向きを確認して、カンナがイカに掛かる方向にロッドをあおるんですけど、これも意外と難しいです。
いずれにせよ、カンナが掛かった瞬間にイカがブハッと墨を吐く様子を確認できます。
まとめにかえて-合わせのタイミング
エギングにおいて、合わせのタイミングに悩んでいる方って少なくないと思います。即合わせ派、遅合わせ派、それぞれに根拠があり、いったいどっちが正解なのか分からない!
たくさんイカを釣ってきた(ただしすべてキロ未満)ワタシの結論は、合わせのタイミングはアングラーのスタイル・好みで決定すればよいが、どちらかと言えば遅合わせの方がイカのキャッチ率が上がるよね?というもの。つまりどっちでもよいと。以下、根拠を説明します。
見えイカ釣りから得た最大の教訓は、イカがエギを抱いただけでは手もとにアタリが伝わらないこと。そして、イカがエギを抱いたまま少しだけ移動する程度では、ラインの動きもごくわずかで、変化を確認することが難しいということです。
ここで紹介したアタリの取り方は、概ねイカがエギをしっかり抱いた状態、場合によっては勢いよく走り出した状態を対象にしていると言えます。やる気スイッチが入ったイカを掛けている、とでも言いましょうか。
したがって、合わせのタイミングにはそんなにシビアになる必要はないと思います。なんせ相手は「エギは離さぬ!」と荒ぶっているであろうイカちゃんですから。
ひと呼吸置いて合わせてもよいし、ラインスラッグを回収して合わせてもよいし、即合わせでもよいでしょう。というか、釣り人的には「即合わせ」のつもりでも、エギを抱いたイカ的には「遅合わせ」になっている可能性が高いですが。
ただし、即合わせの場合は、イカがエギを完全に抱ききっていないタイミングだとすっぽ抜けのリスクがあるよな、って思います。したがって、ワタシは前述の「どちらかと言えば遅合わせの方がイカのキャッチ率が上がるよね?」な結論を持っています。
「あ、今イカがちょこっと触った」とか「イカパンチきた!」みたいな乗らない小さなアタリを頻繁に取ることができる方は上級者だなぁと思います。
ワタシも、このような研ぎ澄まされた感覚を身につけたいものです。