冬の自転車通勤。はっきり言って寒いです。あなどれません。中途半端な防寒対策は、裸一貫で自転車に乗っていることと同じです。
防寒対策を怠った結果、あんなに楽しかった自転車通勤が大嫌いになる。
あるいは自転車から遠ざかってしまい、クロスバイクを駐輪場に放置プレイ・・・・。
このような悲しい事態は避けるため、自転車通勤には通常よりもシビアな対策が求められます。
目次
防寒対策のキーワードは、『防風』と『保温』
実はワタシ、クロスバイクによる自転車通勤をはじめる前はバイク通勤でした。
これに加え、海釣り、しかも秋~春の深夜早朝をメインとする極寒状況での海釣りを趣味としています。
自転車通勤よりもシビアな防寒対策が求められる環境に長きにわたり身を置いてきたわけです。
バイク通勤と海釣りからワタシが学んだことは、防寒を『防風』と『保温』に分けて、それぞれについて適切な対策を講じることです。
もちろん、自転車通勤にも同じ姿勢で臨む必要があります。
ところが『防風』と『保温』、自転車通勤でこの2つを高次元で両立させることはとても難しいと言えます。
なぜなら、自転車通勤の場合、クロスバイクにライドオンするときの服装に大きな制限があるからです。
例えばビジネススーツ、防寒的には最悪のコスチュームです。しかし我々の多くは、この防寒に圧倒的に不利なビジネススーツなどを前提に対策を組み立てなければならないのです。
まずは手、首、耳の防風、保温にこだわるべし
カラダのありとあらゆる部位が防寒の対象となります。
そのなかでも、手先、足先などの「末端部」の防寒が重要だとされています。
心臓から遠く温かい血流が届きにくい、血管が細く血流が少ないなどの理由から、末端部は体の中でも冷えやすく寒さを感じやすいのです。
末端部を制する者は寒さを制する。
このセオリーを踏まえ、自転車通勤という条件で防寒を施す部位に優先順位をつけるとすれば、ワタシの経験上、手、首、耳への防風・保温が優先順位トップ3となります。
手-必ず自転車専用のグローブを
まずは『手』。防寒の基本、末端部への対策です。
当然、手袋(グローブ)の着用が必須となりますが、自転車専用のグローブを着用することを猛烈に推奨します。
なぜなら、普通のグローブは、『グリップを握ること』を前提にデザインされていないからです。
「普通のグローブ」ではグリップをしっかり握り込むことができません。滑りやすいです。グローブの中で手が踊る感じ、とでも言いましょうか。
自転車を運転する際の快適性が阻害されるだけではなく、ブレーキレバーの握りやすさにも影響があるため、安全性も阻害されます。
いずれにせよ防寒対策をあーだこーだ言う以前の問題です。
市販されているグローブの多くは、手のひらに滑り止めの等の処置が施されていないのです。
また、滑り止めが施されるように見えるモノでも、自転車専用に開発されたグローブと比べると、グリップの握り心地に天地ほどの差があります。
また、防風・保温を追求しただけのグローブは見た目がゴツくなりがちで、これまたグリップの握り心地に悪影響を及ぼしますし、ビジネススタイルとの相性も決して良いとは言えません。
ランニングウェアやフィッシングウェアなどを容赦なく自転車に流用しているワタシですが、グローブだけは自転車専用に開発されたモノをチョイスすべきだと思います。
ちなみにワタシが使用しているのはサイクルベースあさひオリジナルのウィンターゲルグローブなるもの。
手のひらにゲルパッドが配置されています。
手のひらと甲で素材が使い分けられています。手のひらは滑りにくくグリップ性能を追求した素材が、手の甲は伸縮性のある防風素材が使用されています。
握り心地は上々です。ブレーキ、シフトチェンジ等、運転にストレスを感じることは皆無です。このあたりの使用感はさすが自転車専用品です。
ゴツくない、シュッとした雰囲気が気に入っています。ビジネススタイルとの相性も悪くないです。
防風性は可もなく不可もなくです。完璧ではありませんが、30分程度の自転車通勤であれば十分に耐えることができます。
5000円くらい出費すれば、シマノなど有名メーカのワンランク上の防風・保温性能を備えたグローブを入手できます。
悲しいかな、世の中金ですわ。
首-ネックウォーマー
どんなに高機能なアウターを身にまとっても、首回りが無防備だとハダカでサイクリングしているも同然です。ガンガン冷気が衣服内部に侵入します。
首回りをしっかり防御し、冷気をシャットアウトする必要があるわけですが・・・・我々は、オシャレなマフラーで冬のコーデを楽しむ!という発想を捨てなければなりません。
マフラーをしっかり首にグルグル巻いて防寒的にベストポジションを手に入れたとしても・・・・自転車通勤でそれを維持することはきわめて難しいです。
自転車を漕ぎ漕ぎするうち、マフラーが徐々にベストポジションからずれてきます。結果、首元から冷気の侵入を許すことになってしまいます。
また、最悪の場合、マフラーがほどけてしまい自転車の運転どころではなくなってしまいます。
いずれにせよ、マフラーだと首回りが気になって運転に集中できません。冬の首回りのオシャレはあきらめて潔くネックウォーマーを装着しましょう。
ネックウォーマーは、フリース素材のものであれば何でもよいと思いますが、カバーできる面積が広いものがよいでしょう。
ワタシは10年以上、特にこだわりもなく購入したネックウォーマー(写真のモノ)を ずーっと使用し続けています。
耳-イヤーウォーマーは効果絶大
頭部の防寒はと言えばニット帽最強!みたいな風潮がありますが・・・・自転車通勤的にはベストアンサーではありません。
頭部で最も冷気の影響を受けているのは『耳』です。頭部をばっちり防寒したつもりでも・・・・「頭隠して耳隠さず」では効果が半減します。
ニット帽のかぶり方が中途半端だと、耳周辺の僅かなすき間から風がガンガン侵入し、耳たぶを中心に頭部がキンキンに冷えてきます。
自転車に乗ってみないと分からないことですが、ニット帽は防風性が高いとは言えません。
また、そもそもニット帽をかぶると、せっかく仕事のためにセットした髪型が台無しになってしまいます。
まぁ、ニット帽をかぶろうがかぶるまいが、髪型が崩れるのは自転車通勤者のさ宿命ですが・・・・ニット帽で髪型がぺったんこになることは絶対に避けたい!という勤め人は一定数いらっしゃるはず。
そこで強くお薦めしたいのが、ニット帽ではなくイヤーウォーマーによる防寒です。
ちなににワタシが使用しているイヤーウォーマーは『OGK KABUTO イヤーウォーマー1』。こんな感じです(着用者はワタシの愚息です。)。
こんな頭丸出しで防寒とか無理でしょ!おでことか風が直撃して寒いでしょ!と不安に思う方もいらっしゃるでしょうが・・・・中途半端にニット帽をかぶるよりも、イヤーウォーマーの方が圧倒的に頭部の防風・保温に優れています。
最も弱い部分を完璧に守る、という防寒の基本を突き詰めたアイテム、それがイヤーウォーマーだと思います。
ワタシはかぶっていませんが、ヘルメットを邪魔することなくイヤーウォーマーを装着することができます。
ちなみにこのイヤーウォーマー、手のひらくらいの大きさに折りたたむことができ、携帯性にも優れています。
スーツのポケットには厳しいかもですが、アウターのポケットには違和感なく収納できます。
また、パイピングがリフレクターになっており、安全性にも配慮されています。まさに自転車通勤者のためのイヤーウォーマーです。
まとめ
冒頭でも申し上げたとおり、『防寒=防風・保温』は突き詰めていくとキリがありません。
インナー、アウター選び及びこれらの組み合わせ方など、考慮すべきことは他にもたくさんあります。
今回取り上げた上記3アイテムは、アウターの防寒性能を最大限に発揮させるための必須アイテムです。
高価なアウターを購入するより、『手、首、耳』の防風・保温にこだわる方が、圧倒的に高い防寒効果を得ることができます。
OGK KABUTO(オージーケーカブト) イヤーウォーマー1 (ウインター) 3000